足のむくみと皮膚炎
足がむくみやすいかたは、うっ滞性皮膚炎のリスクが高いといえます。うっ滞とは血流が静脈などに滞ることをいい、血行障害を引き起こします。
このうっ滞性皮膚炎は、ひざ下の、特にくるぶしあたりに生じやすく、皮膚の赤みから始まり、時間をかけて暗褐色に変わっていき、さらに進行すると皮膚がかたくなり潰瘍ができやすくなります。皮膚の変色とともにかゆみもあらわれ、潰瘍ができたり感染をともなうと痛みも出てきます。
≪原因≫
ふくらはぎの筋力の衰えによりポンプ機能が低下していたり、静脈弁の働きが弱い、長時間の立ち仕事、妊娠、肥満や加齢などで慢性的な静脈不全となり、静脈血が血管外に漏れ出て炎症を引き起こします。また、血管から皮膚への酸素や栄養の供給が不足してしまい炎症や色素沈着があらわれます。
≪予防≫
①長時間の立ち仕事に従事されているかたに起きやすい傾向がありますので、足に血がたまらないよう心がけながら活動しましょう。軽いストレッチもおすすめです。
②休憩中やご自宅での安静時は足を拳上し、睡眠時も足元を高くして休みましょう。
③きついと感じるくらいの弾性ストッキングや弾性包帯を使用すると、つけているあいだは下肢のむくみを軽減したり血流の滞りの予防になります。
④肥満がある場合は減量をおすすめします。
★②や③については心疾患などで内科的に治療中の場合、医師の指示のもと行なったほうがよいでしょう。
≪治療≫
◆痛みがなければ基本的には弾性ストッキングや包帯による圧迫療法が主体となります。
◆湿疹や皮膚炎を起こしている場合は炎症をおさえるステロイドの塗り薬などを使います。
◆傷や潰瘍がある場合は、患部を毎日洗い潰瘍の治療薬を使用します。感染予防のため必ず洗いましょう。
◆むくみの原因がわかっていない場合は、循環器や呼吸器、腎機能、糖尿病など内科的にも診てもらう必要があります。
2021年10月1日6:33 PM
とびひ(伝染性膿痂疹)を予防する
とびひは夏を代表する皮膚病のひとつで、とくに小さいお子さまに多い病気です。
あせもや虫刺されのかきこわし、転んでできたすり傷などに黄色ブドウ球菌やレンサ球菌といった細菌が入りこんでしまいます。健康な皮膚は通常バリア機能で守られており感染の心配はありませんが、傷やかきこわし、アトピーの肌荒れといったバリア機能の弱まったところで細菌の侵入を許してしまい、感染が起こります。
かゆくてかいてしまうとバリア機能も崩れてしまううえ、かいたその手で細菌を別の場所に運んでしまいます。これを繰り返した結果、かゆみを伴なうかさぶた、またはみずぶくれがあちこちに広がっていくことになるわけです。
【とびひにならないために気をつけること】
➊皮膚や手指を清潔に保つ。
➋虫刺されや湿疹ができたらすぐに薬を塗るなどのケアをして触らないように気をつける。かいたり触ったりしがちであれば、ガーゼで覆うなど工夫を。かゆみが強くて我慢が難しいときは病院受診も。
➌転んだり遊びでできた傷は必ず石けんで毎日きれいに洗い、ジクジクしていたら覆うようにして、治りが悪ければ病院へ。
➍爪のあいだは細菌が繁殖しやすいので普段から爪を短く整えておく。
➎アトピー治療は怠らず、皮膚のコンディションをよい状態に保つように。乾燥肌体質であれば保湿を常に心がけバリア機能を維持させる。
➏細菌の温床である鼻の穴をいじらない。
とびひかなと思ったら、病院を受診、診断のうえ治療する必要があります。飲み薬や塗り薬でこれ以上の感染の広がりを防ぎます。放置するとどんどん広がり全身に影響を及ぼすことにもなりかねません。
【とびひになってしまったら】
①感染力が強いので他人にうつさないような感染対策を。
◆家族間、とくに子ども同士で浴槽や衣類、タオルを共有しない。
◆患部が他人に触れないようガーゼできちんと覆う。
◆手指の清潔を徹底する。
②毎日シャワーで全身をきれいにし、医師の指示のもと薬を塗り、清潔なガーゼで覆う。※絆創膏などで患部を密閉してしまうと菌が繁殖するため、通気性のよいガーゼがよい。
③プールは控える。
④登園や登校は患部をきちんと覆っていれば基本的には可能。
適切なケアを行うことで症状の広がりをおさえ早めの治癒に繋がります。心配なことがあればいつでもご相談ください。
2021年8月24日4:49 PM
真夏の肌トラブル予防
❶汗
汗をかいたままで放っておくとかゆみの原因になります。炎症が起きて湿疹になると治療が必要になってしまいます。またアトピー体質のかたは汗が刺激になり症状が悪化することもあります。ただし、汗はお肌の保湿という役割も持っているので汗自体は悪いものではありません。たくさん汗をかいたあとは、ゴシゴシ乾いたタオルでこするのはNGです。濡れたおしぼりなどでやさしくおさえるように拭きましょう。帰宅したらシャワーですぐに洗い流してしまいましょう。
❷日差し
この時期の紫外線はたいへん強いので、露出部分の多い夏の服装ではそれだけたくさんの紫外線を浴びてしまいます。日光皮膚炎や免疫力の低下も引き起こしかねません。TPOに合わせた方法で必ず紫外線対策を行ないましょう。
❸虫や植物
山や川などへお出かけの際は、自然に生息する生き物や植物に不用意に触れないよう注意しましょう。虫刺されだけでなく植物によるかぶれなど、何が起こるかわかりません。直接触れずにすむように、露出の少ない服装がよいでしょう。また虫よけ対策も忘れずに。
❹身につけるもの
薄着になったお肌にアクセサリーやベルトのバックルが触れると、それが直接刺激になったり汗がたまったりしてかゆみを引き起こしてしまいます。また、肌着類が汗で密着して蒸れがちになりかゆみが出やすくなります。通気性のよい衣類を選び、かゆみの原因となるものは避けましょう。
❺乾燥
エアコンのきいた室内で過ごすことが多かったり、外で紫外線をたくさん浴びてしまうと、意外と皮膚は乾燥してしまいます。お肌のコンディションに合わせて保湿ケアを行ないましょう。日焼け後はクーリングをしたり保湿をすることをおすすめしますが、ほてり感やひりひり感が強い場合は化粧水などが刺激になってしまうこともあるので、はやめに医療機関を受診したほうがよいでしょう。
❻足
プールや温泉など、素足の状態で不特定多数の人が使用する施設に出入りすると、水虫菌やいぼのウィルスなどの感染機会が多くなってしまいます。全身きれいに洗って出てきても脱衣所を歩くことでもらってしまう可能性があります。万全を期すのであれば、自宅や自室でもういちど足を洗う、さらに、乾燥皮むけの荒れた状態では菌やウィルスも侵入しやすいので日頃からケアをしておく、というような予防法がおすすめです。
夏の肌トラブルのなかでもメジャーなものをご紹介させていただきました。
いろいろ規制はありますが、予防や対策をしっかりとしつつ、健康的で安心安全に夏を楽しめたら幸いです。
2021年7月30日11:01 AM
夏の暑さや疲れ、ストレス、そして帯状疱疹
帯状疱疹とは
子どもの頃に水ぼうそうにかかるとウィルスはそのまま神経の中に潜んでいます。一生そのウィルスは排除されることなく潜み続け、加齢や心身の疲れ、ストレスなどで免疫力が低下すると、ウィルスは再び活性化することで帯状疱疹を引き起こします。
皮膚の症状
最初はピリピリとした皮膚の痛みで始まることが多いようです。それから徐々に赤みとぶつぶつ、さらに水ぶくれがあらわれます。水ぶくれがやぶれるとジュクジュクしたただれ状態となり最終的にかさぶたになって取れていきます。この皮膚の症状は通常2~3週間で治癒します。一般的に身体の左右どちらかの神経に帯状にあらわれるのが特徴的です。
痛みの症状
個人差はありますが、はじめに神経痛のような痛みが起こります。この痛みは、皮膚の違和感やかゆみ、しびれとして感じる程度から、ピリピリ、ズキズキ、チクチク、針で刺されるような、焼けるような、など、感じかたは様々です。痛みが強くなると日常生活や睡眠にも影響が出るほどです。
※帯状疱疹後神経痛は、皮膚症状が治癒しても神経のダメージが残り痛みが続いてしまう状態をいいます。一般的な内服鎮痛薬で痛みのコントロールがつかない場合は、痛みの専門外来(麻酔科やペインクリニック)で治療を受ける必要があります。
治療
ウィルスの増殖を抑える抗ウィルス薬を内服します。発症から早い段階で治療開始できれば痛みなどの症状の長期化を防ぐことにもつながります。皮膚症状に対しては皮膚の保護や、ジュクジュク期の感染予防のための塗り薬を使うこともあります。
生活上の注意
◆水ぼうそうにかかったことのない赤ちゃんやお子さま、妊婦さんに水ぼうそうとしてうつすことがあるので接触しないよう注意が必要です(かさぶたになるまでは患部を覆うこと、さらに唾液中にもウィルスは排出されているので気をつけましょう)。
◆患部の痛みは温めると和らぎます。お風呂もおすすめですが、患部がジュクジュクしているときは細菌がつきやすいので湯船は控えた方がよいでしょう。
◆患部は清潔に。1日1回は石けんでやさしく洗いましょう。
◆お酒を飲むと血管がひろがり炎症などの症状が悪化することがありますので控えた方がよいでしょう。
◆疲労やストレスが発症の引き金であることが多いので、無理をせずゆっくり休みましょう。
2021年7月5日2:50 PM
水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼは、伝染性軟属腫ウィルスによる皮膚の感染症です。お子さまに多い病気で、直接触れ合ったり、物(衣類やタオル、オモチャ、プールで使うビート板など)を介して感染します。
≪症状≫
1~5㎜程度の光沢のあるふくらみができます。ふくらみの中央にくぼみがあるのが特徴で、中にある白い芯のような部分にウィルスが多く含まれています。
接触して感染しても症状があらわれるのに14~50日程度かかるといわれています。そのため治療しても次から次へとあらわれることがあります。また、症状のない潜伏期間中でもウィルスを拡散させるといわれています。
≪よくできる部位≫
胸やおなかなど皮膚のうすいところや、わきの下、人と接触しやすい腕などにもよくできます。
≪治療について≫
放置していても自然に治るといわれている水いぼですが、長期間(6か月~5年)かかります。治るのを待っているあいだに、広範囲に増えてしまったり、他人にうつしてしまったりすることがあります。アトピー性皮膚炎や乾燥肌でお肌が荒れやすいお子さまや小さな傷などからもうつりやすい病気ですので、ひどくなるまえに治療することをおすすめする場合があります。
≪治療の方法≫
液体窒素をあてる、ピンセットでつまみ取る、硝酸銀塗布、電気で焼くなど、さまざまな方法があります。治療に痛みをともなうため、自然治癒を待つことをすすめる先生も多いようです。
※当院では主に麻酔のテープを貼ったあとピンセットでつまみ取る方法で治療します。部位やご希望によって液体窒素で治療をすることもあります。(処置は平日の予約制で、ほかの方法の扱いはございません)
水いぼができてしまったら...
登園・登校に制限はなく、プールに入ることも制限はありません。ただし、お互いの皮膚の接触がないよう注意すること、また、ビート板や浮き輪、タオル、衣類などの共用をしないことで感染の機会をなくさなければなりません。接触を避けるのが難しい場合は患部を防水テープなどで一時的に覆うなども方法のひとつです。
ならないために、うつさないために...
❶日常から、衣類・タオルの共用はしない
❷プールでも水着・タオル・浮き輪・ビート板は共用しない
❸スキンケアで皮膚のバリア機能を保つ
❹かきこわさない・・・増えたりとびひの原因にもなりえます
❺ほかのひとに直接触れないように患部は衣服やガーゼなどで覆う
❻プールの後はシャワーで体をよく洗い流しスキンケアをする
2021年6月16日2:56 PM
皮膚の常在菌とお肌のトラブル
暑くなると汗や皮脂の分泌が多くなり、それにともない肌のトラブルも起きやすくなります。皮膚は人体で最大の臓器ともいわれ、多くの常在菌が存在しており、外的刺激から身を守ってくれるもの、皮膚炎を起こすものなど様々です。
~常在菌の代表的なもの~
❶表皮ブドウ球菌
◆皮膚表面や毛穴に存在し、汗(アルカリ性)や皮脂をエサにしている
◆グリセリンを生成・・・皮膚のバリア機能を保つ
◆脂肪酸を生成・・・肌を弱酸性に保ったり、抗菌ペプチドを作り黄色ブドウ球菌の増殖を防ぐ
❷アクネ菌
◆酸素を嫌い毛穴や皮脂腺に存在、皮脂をエサにしている
◆プロピオン酸や脂肪酸を生成し、肌を弱酸性に保つことで病原性の強い細菌の増殖を抑える役割をもつ
◆皮脂分泌が多くなったり毛穴がつまると増殖して炎症を起こしニキビの原因となる
❸黄色ブドウ球菌
◆皮膚表面や毛穴に存在
◆病原性が高く皮膚がアルカリ性に傾くと増殖して皮膚炎などを引き起こす。傷を放っておくと化膿し悪化する
❹マラセチア真菌
◆皮膚表面に広く常在する真菌(カビや酵母などの総称)で高温多湿の環境で増殖しやすい
◆皮脂をエサにしているため、皮脂分泌量が増えるとマラセチアも増殖し、フケや脂漏性皮膚炎、癜風(でんぷう)の原因となる
これら常在菌のバランスが崩れると皮膚トラブルを起こします。なかでも表皮ブドウ球菌が減るとアルカリを好む黄色ブドウ球菌や真菌の増殖につながります。
表皮ブドウ球菌は角質層に存在します。一日一回石けんでやさしく洗えればじゅうぶんで、無理に角質をとるのはNGです。«例»石けん類で何回も洗う、長風呂、軽石などでこする など
乾燥肌は皮膚の環境がアルカリ性に傾き、表皮ブドウ球菌が存在しにくくなるので、乾燥肌を放置せずに保湿ケアを習慣づけましょう。
2021年6月3日2:50 PM
気づいたらブツブツがたくさん、毛虫による皮膚炎
毛虫にはドクガ類、イラガ類、カレハガ類と種類があり、刺された際の症状にはそれぞれ特徴があります。なかでも生活圏内でよく目にするといえばチャドクガが有名です。
チャドクガは毛虫皮膚炎の原因となる代表的な毒蛾で、お茶の木やツバキ、サザンカに発生しその葉をエサとしています。
毛虫皮膚炎の時期は4月から10月で、孵化のタイミングである5~6月と8~9月に被害が増えます。山や山林よりも都市の公園や庭木で出会うことが多い生物です。
幼虫期はいわゆる毛虫と呼ばれ、風で飛ぶほど小さな毒針毛を持っています。この幼虫に直接触れたり飛んできた毒針毛が皮膚に刺さると皮膚炎を起こします。
また、幼虫だけではなくマユや成虫はもちろん、卵、死骸など落ちているものでも触れると危険ですのでお子さまは注意が必要です。
≪皮膚炎の特徴≫
接触直後は無症状ですがピリピリと違和感を感じることもあります。さらに毒針毛に触れて数時間後、強いかゆみとともに赤いブツブツがあらわれます。症状は1~2日でさらに強くなることが多く、治るまでに2~3週間かかります。症状は腕や首といった露出部位に出ますが何気なく触ったりしているうちに体に広がることもあります。
まれに人によってはアナフィラキシーを起こすことがあるので、皮膚症状のほかにノドの違和感や息苦しさ、ふらつきなど異常がある場合は救急受診を要します。
≪毛虫に刺されたら≫
★こする・かくは被害を広げます。症状が出ている部分を中心に粘着テープで毒針毛をとりのぞくようにします。
★流水で洗うことで患部を清潔にし針を落とし腫れを落ち着かせます。
★毛がついた衣類は粘着テープで除去し、50度以上のお湯で洗うかアイロンをかけるのも有効です(毒成分が熱に弱いため)。
※庭木の手入れは肌を露出せずに行ない、できればビニール製のカッパなどでしっかり防護することで毛虫から身を守りましょう。
※毒針毛は風で飛ばされます。外干しの洗濯物や寝具、その他様々なものに付着すると間接的に皮膚に触れることになりますので要注意です。
≪治療≫
強いかゆみと湿疹に対しステロイド外用とかゆみ止めの内服で治療します。かゆみや腫れに対してはクーリングで落ち着きますので、冷たいタオルや保冷剤で軽く冷やしてみましょう。
季節的に暑い時期に起こる皮膚炎ですので、お子さまの場合掻き壊してしまうととびひになりかねません。早めの治療がおすすめです。
2021年5月17日9:23 AM
春のニキビ
昼夜の寒暖差はありますが日中の日差しが強く感じられるようになってきました。紫外線によるお肌のダメージが気になるところです。早々に日焼け止めや日傘など使い始めてもいいくらいの陽気でしょう。
春はニキビが増えやすい季節でもあります。
日差しや花粉による肌へのダメージに加え、新生活へのストレスや不安定な生活習慣がニキビの原因となります。
~原因~
毛穴のつまりがニキビの原因となることは知られていますが、その毛穴のつまりには皮脂の増加と皮膚の新陳代謝が関わっています。
❶皮脂の増加
気温の上昇により発汗量と皮脂の分泌量が増えます。さらに新しい環境に対する緊張やストレスがホルモンバランスの乱れ(男性ホルモン過多)の原因となり、皮脂の過剰分泌を引き起こします。
❷皮膚の新陳代謝低下
外的刺激(乾燥や紫外線)のほか、新生活のはじまりは生活リズムが安定せず、睡眠・運動不足、食生活の乱れ、便秘、ストレスなど、からだによくないことのオンパレードになりがちです。その結果、肌の生まれ変わりがうまくいかず、肌荒れが生じます。
⇒荒れた肌に皮脂が増え毛穴のつまった白ニキビを、さらに皮脂を好むアクネ菌も増えてしまい炎症が起こると赤ニキビ(腫れや痛みを伴なう)に発展します。
~予防~
肌へのダメージを少しでも減らすよう、日ごろから保湿や日焼け対策を心掛けましょう。新生活に順応するには時間を要するかもしれませんが、少しでもリラックスできる時間をつくったり、ひとに話すこともストレス緩和のためには大切です。
~治療~
ニキビができてしまったら、早めの治療をおすすめします。炎症状態が長引くとニキビ跡の原因になることがあるからです。新しいニキビを予防するためのお薬もありますので、まずはご相談ください。いまのお肌にあった予防や治療法をご提案できたら幸いです。
2021年4月22日11:15 AM
春の肌荒れ、花粉皮膚炎
春の花粉症でお悩みのかた、また、花粉による鼻炎症状はなくても春限定で顔のかゆみに悩まされるかた、多くいらっしゃると思います。
2月から5月にかけてスギとヒノキの花粉が飛散し、それを吸い込んだり皮膚に触れたりすることで皮膚炎が起こります。
※ちなみに、スギ・ヒノキなどの樹木花粉は長距離飛散であるのに対し、夏秋の花粉症の原因であるブタクサやカモガヤ、ヨモギなどの草木花粉はその植物の生えている周辺でしか飛散しないため、飛散時期や生育場所(空き地や河原など)を把握することで身を守ることができます。
花粉が皮膚について起こるため、特に顔や首などの露出部位に多く症状が出ます。さらに普段から乾燥しがちなかた、アトピー性皮膚炎をお持ちのかたは皮膚のバリア機能が低下してしまい花粉の影響が出やすくなります。
~花粉から身を守るには~
❶マスクやメガネ、マフラーやスカーフなどで花粉の侵入を防ぐ。軽いメイクも効果的。
❷帰宅したらすぐに洗顔し、皮膚に付着した花粉を流す。
❸入浴・洗顔後は速やかに保湿し皮膚のバリア機能を保つ。
❹室内に入りこんだ花粉やほこりをこまめに取り除く。
~花粉皮膚炎の症状があるときは~
かゆくても掻かないようにしましょう。かゆいときは優しく冷やすと一時的にやわらぎます。特に皮膚がうすくて弱い目のまわりは掻くと炎症が強くなります。
また、掻くことでバリア機能は低下します。炎症が起きて湿疹化してしまうと保湿だけでは改善しません。炎症が強いと治療に時間がかかりますので、かゆみや赤み、湿疹でお困りの際は早めにご相談ください。
2021年4月5日11:21 AM
単純ヘルペスウィルス感染症
皮膚や口、口唇、性器などに痛みを伴なう小さな水ぶくれが繰り返し起こる病気です。ヘルペスウィルスはたいへん感染力が強く、水ぶくれなどの症状が出ている時期は大量にウィルスを排出しています。
~感染経路~
口唇ヘルペス(単純ヘルペスウィルス1型)・・・家族間が多く接触感染や、タオル・食器など物を介した感染。口唇や顔面にできる。
性器ヘルペス(単純ヘルペスウィルス1または2型)・・・主に性行為、便座などの物を介することもあり。
感染しやすいのは症状が出ているあいだだけですが、皮膚表面に症状がなくても、ウィルスが唾液などの体液に出てきていることもあり、その場合、自覚症状がなくても感染する可能性はあります。
ヘルペスウイルスは、小さな傷口や粘膜組織から侵入します。皮膚が健康に見える場合でも注意が必要で、傷や湿疹、アトピー性皮膚炎などにより皮膚のバリア機能が低下していたり抵抗力が落ちていたりすると、感染リスクが高くなると考えられます。
皮膚から侵入したウィルスは神経に潜伏します。感染後すぐに発症する、感染しても自覚症状がない、何年も経ってから初めて症状が出る、再発をくり返す、症状がまったく出ない場合など様々です。ただし、いったん侵入したウィルスを排除する治療はなく体内に潜み続けます。
~症状~
患部にびりびりとした違和感が生じます。これは内部でウイルスが増殖しているしるしで半日以内に赤く腫れ、痛みをともなうこともあります。発症して2、3日後には、水ぶくれがいくつかでき、痛がゆくなり、最後はかさぶたになっていきます。1~2週間ほどで治ります。ヘルペスウィルス感染の最初のときには発熱や体のだるさが起こることもあります。
~治療~
病院では、抗ヘルペスウィルス薬というウィルスの増殖を抑える飲み薬か塗り薬が症状にあわせて処方されます。症状の出始めに治療を開始できれば軽症ですみます。
~再発予防~
疲労、ストレス、風邪、生理、強い直射日光を浴びることなどでヘルペスウィルスは活発になります。無理をしない生活を送ることが理想です。また、他人にうつさないようにと心がける気持ちが大切です。
2021年3月25日2:49 PM