冬によくある皮膚のトラブル
空気が乾燥してくるとお肌のコンディションも夏とはまったくちがってきます。秋から冬にかけて起こりやすい皮膚のトラブルをご紹介します。いまから対策をして寒い季節を乗り越えましょう。
①乾燥
皮膚の角質層の水分量が減るとバリア機能の低下につながり、かゆみを引き起こす物質や細菌・ウィルスの侵入を容易にしてしまいます。かゆくて掻いていれば皮膚炎を起こしやすくなり、悪化すれば細菌感染など、事態は深刻になります。かゆくなるまえに保湿する習慣をつけましょう。
さらに乾燥はアトピー性皮膚炎や乾癬の症状悪化の原因にもなります。悪化予防のためには症状がない場合も日常的な保湿ケアが大切です。
②手荒れ・あかぎれ
冬場は水仕事の際にお湯を使うことが多いと思います。水と比べてお湯は皮脂を落としやすく、空気の乾燥も影響し夏よりも症状がひどくなります。水仕事以外でも乾燥した状態での手作業は、あらゆるものが刺激になって手を荒らしてしまい、ひどいと亀裂を生じるいわゆるあかぎれの状態となります。手作業の際は可能な限り手袋などで防御し、合間に保湿ケアをしましょう。
③しもやけ
しもやけは、大きな寒暖差で血管の収縮と拡張が繰り返されて起こる循環障害による皮膚の炎症で、かゆみや痛みを伴ないます。四肢末端をはじめ、頬や鼻先、耳などの血行が悪くなりやすく露出しがちな部位によく見られます。かゆみがひどくて掻きこわしたり、強い炎症から潰瘍になる恐れもあります。温めすぎるとかゆみや痛みが強くなることもあるので、まずは身体を冷やさない対策を心がけましょう。
④低温やけど
使い捨てカイロや簡易ヒーターなどをご使用になるときは、高温にもならないしお手頃だからと油断しないでください。40~50℃で心地よいと感じつつも無意識に長時間あてていると熱のダメージはじわじわと皮膚の深部に達し、気づいたときには重症で治りにくい状態になってしまいます。やけどを起こさないためにはカイロや器具による就寝中の保温はやめておきましょう。
冬のあいだは衣類をたくさん着込むせいか皮膚の変化に気づきにくいようです。とくに糖尿病のかたなど末梢神経障害がある場合、痛い冷たい熱いなどの感覚が鈍くなり、皮膚のダメージに気づかないまま症状が悪化するまで放置されてしまうことがあります。お肌の小さな変化にも早めに対処できるよう日頃からよく観察するようにしましょう。
2023年11月15日2:57 PM