アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴なう湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の病気です。
この病気のかたは皮膚のバリア機能がもともと弱いため、外界からの刺激やアレルゲン(ホコリやダニなどのアレルギーを引き起こす物質)が入りこみやすく、それが原因となって炎症を引き起こします。さらに、かゆみを感じる神経が皮膚の表面にのびていて、かゆみに敏感になってしまいかくのを我慢できなくなります。こうしてかきこわしてしまいバリア機能が低下してしまうという悪循環に陥ります。

本人や家族が、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎・結膜炎、気管支喘息を持っていたり、アレルギーを起こしやすい体質(IgE抗体を産生しやすい体質)のかたは、アトピー素因があるといえます。

【発症因子・悪化因子】
職場および日常生活がアレルゲン物質や刺激物にさらされる環境下であるかどうか、ご自身のライフスタイル、気候(温度・湿度)、皮膚の生理機能の変調などが、アトピー性皮膚炎の症状コントロールに関わってきます。
また、かゆみの誘発・悪化因子として、温熱寒冷、発汗、ウール繊維、精神ストレス、食事、飲酒、感冒などがあげられます。

【特徴・症状】
◇皮膚が全体的に乾燥し、湿疹は左右対称に現れることが多いのが特徴です。
◇年齢によって好発部位が異なります。
・乳児期・・・頭・頬・口周囲・首・耳のつけ根から、悪化すると身体や手足に広がる
・幼児・学童期・・・首・肘の内外、ひざとその裏側などの関節部分
・思春期・成人期・・・上半身(顔・首・胸・背中)
◇皮膚が乾燥してカサカサしている状態から、湿疹のあった部分が硬くゴワゴワしたり、赤く腫れてジクジクしたり、段階はさまざまです。

【治療の基本】
❶スキンケア
まず身体を清潔に保ちます。洗うときはゴシゴシこすらずシンプルな石けんやボディソープをよく泡立てて、手でなでるように洗いしっかりすすぎます。通常はこれでじゅうぶんです。傷やただれがあっても同様です。※界面活性剤不使用の石けん類を選び、ナイロンタオルは使わないようにします。
入浴・洗顔後は保湿ケアをしっかり行ないます。お肌のバリア機能を安定させ炎症を起きにくくします。炎症が起きなければかゆみも起きず、悪循環を起こさないため基本中の基本となります。

❷薬物療法
スキンケアだけではコントロールできない炎症やかゆみといった症状に合わせ、かゆみをおさえる抗ヒスタミンの飲み薬や炎症をおさえる塗り薬などを使います。

※飲み薬や塗り薬、スキンケアをきちんとしていても効果があらわれにくい重症なかたに当院では、症状に合わせて紫外線療法をおすすめすることがあります。また高額医療費制度対象の生物学的製剤などのご案内(他院紹介)をさせていただく場合もございます。

❸悪化因子対策
不規則な生活、寝不足、ストレス、身体の洗い方などを見直すことや、食物や環境アレルゲン(ハウスダスト・ダニ・カビ・動物上皮など)の検索と対策が必要です。

※アレルギーの血液検査は当院でも可能ですが、小さいお子様の採血は安全面を考慮させていただき、小児科での実施をお願いしています。

 

アトピー性皮膚炎の治療目標は、、、

①症状がない状態、あっても日常生活に支障がなく薬物療法をあまり必要としない状態
②軽い症状があっても、急に悪化することはなく、悪化しても長く続かない状態

この目標を達成するには、ご自身の日常のスキンケアと治療の継続が大切になります。

 

2023年11月24日11:30 AM

お肌の主治医として、あらゆる世代の方が健やかな素肌を保ち・取り戻すお手伝いを。

皮膚の病気は誰でも経験することですが、それだけに放置したり、民間薬などで簡単に済ませて悪化することがよくあります。
私たちは「気軽に相談できる」街のお医者さんを目指します。

町屋皮フ科クリニック。ご予約・お問い合わせは03-6411-1020まで。
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