皮膚の常在菌とお肌のトラブル
暑くなると汗や皮脂の分泌が多くなり、それにともない肌のトラブルも起きやすくなります。皮膚は人体で最大の臓器ともいわれ、多くの常在菌が存在しており、外的刺激から身を守ってくれるもの、皮膚炎を起こすものなど様々です。
~常在菌の代表的なもの~
❶表皮ブドウ球菌
◆皮膚表面や毛穴に存在し、汗(アルカリ性)や皮脂をエサにしている
◆グリセリンを生成・・・皮膚のバリア機能を保つ
◆脂肪酸を生成・・・肌を弱酸性に保ったり、抗菌ペプチドを作り黄色ブドウ球菌の増殖を防ぐ
❷アクネ菌
◆酸素を嫌い毛穴や皮脂腺に存在、皮脂をエサにしている
◆プロピオン酸や脂肪酸を生成し、肌を弱酸性に保つことで病原性の強い細菌の増殖を抑える役割をもつ
◆皮脂分泌が多くなったり毛穴がつまると増殖して炎症を起こしニキビの原因となる
❸黄色ブドウ球菌
◆皮膚表面や毛穴に存在
◆病原性が高く皮膚がアルカリ性に傾くと増殖して皮膚炎などを引き起こす。傷を放っておくと化膿し悪化する
❹マラセチア真菌
◆皮膚表面に広く常在する真菌(カビや酵母などの総称)で高温多湿の環境で増殖しやすい
◆皮脂をエサにしているため、皮脂分泌量が増えるとマラセチアも増殖し、フケや脂漏性皮膚炎、癜風(でんぷう)の原因となる
これら常在菌のバランスが崩れると皮膚トラブルを起こします。なかでも表皮ブドウ球菌が減るとアルカリを好む黄色ブドウ球菌や真菌の増殖につながります。
表皮ブドウ球菌は角質層に存在します。一日一回石けんでやさしく洗えればじゅうぶんで、無理に角質をとるのはNGです。«例»石けん類で何回も洗う、長風呂、軽石などでこする など
乾燥肌は皮膚の環境がアルカリ性に傾き、表皮ブドウ球菌が存在しにくくなるので、乾燥肌を放置せずに保湿ケアを習慣づけましょう。
2021年6月3日2:50 PM