手湿疹
手が荒れやすいかたといえば、水仕事、理容美容系、食品系、職人、工場、アパレル、紙系、保育、医療(順不同)など、さまざまなお仕事を思い浮かべられます。また近年では頻回な手洗いや手指消毒が習慣化され、空気が乾燥する冬だけでなく一年を通して手が荒れるようになってしまったかたも多いと思います。
手は身体のなかでいちばんダメージを負いやすいパーツと言っても過言ではありません。どんなにケアや治療をしていても、受けるダメージが上回ってしまえば症状はなかなか落ち着いてくれません。治らないとあきらめたりせず根気よくケアを続けることが大切です。
【手荒れ・手湿疹の症状と原因】
乾燥感やつっぱり感などの違和感から、徐々にかさつきやごわつきのある硬さが加わり、ひび割れや亀裂、あかぎれなどを生じて痛みを伴なうようになります。さらに赤いブツブツや水ぶくれ、じゅくじゅくした傷ができるようになります。
手洗いや薬品使用などにより、皮膚表面を覆う皮脂膜が取り除かれると、皮膚のバリア機能が低下して水分は失われ乾燥状態になります。バリア機能が低下した状態でさらに刺激を受け続けると、アレルゲンや細菌から身を守れずにどんどん症状は悪くなってしまいます。
また、アトピー性皮膚炎をお持ちのかたはもともと乾燥しやすい体質があるため、手の症状が起きやすくなっています。
【ケアと治療】
①うるおいでバリア機能を高める
まずはハンドクリームや保湿剤をこまめに塗り、乾燥させないことが第一歩です。手洗いの後はもちろん、何かをするたび、また、少しでも乾燥を自覚したら、そのつどそのつどで塗りましょう。どうせすぐに手洗いするからとは思わないでください。少しのかさつきでも塗りたくなるくらいになりましょう。
②あらゆる刺激から身を守る
さまざまな作業で刺激を受けてしまうのは生活上、職業上、避けて通れないことです。なるべくダメージを少なくおさえるために許可されている場面ではできるだけ手袋を使ってください。手袋での作業も何とか慣れてくるものです。手袋の着用を禁止されている作業の場合は、とにかくこまめにハンドクリームを塗りましょう。
③赤みやかゆみ、ブツブツやじゅくじゅく、痛みや亀裂は要治療
しっかり症状が現れたら保湿だけではもう間に合いません。くすりの力を借りて症状をしっかり治してしまいましょう。市販でも合っているものなら問題ありませんが、細菌感染の兆候などがないかも含めていちど診察を受けていただくと安心です。